刀剣に価値の高いものはあるの?
日本の刀剣はその造形の美しさが日本国内だけではなく、海外からも根強い人気があります。
刀剣には価値の高いものから低いものまで、様々な種類が存在しています。そして、刀剣と一言でいっても、刀・太刀・脇差・短刀など様々な種類があります。
また、作られた時代や刀工(刀を作る職人)などによっても形状は異なってきます。当然のことではありますが、刀剣は工場で大量生産されたものではなく、刀工によって一本ずつ丁寧に作られています。
そのため、一本としてこの世に同じ刀剣は存在せず、価値に関してもピンからキリまで様々です。
博物館に飾られているような、歴史的に希少性の高い刀剣は価値が高くなります。しかしながら刀剣の価値を高める要素は、一つだけではありません。
歴史的な希少性や有名な刀工の銘、刀鍛冶屋の流派、刀装の保存状態、そして鑑定書の有無などによって刀剣の価値は変わります。
長い年月をかけて改良され、鍛え上げられてきた刀剣には刀工の英知が凝縮されており、高い価値を持つものも存在しているのです。
価値の高い刀剣の特徴とは?
刀剣の価値を決定する主な要素として挙げられるのは次の5点です。
- 資料価値の高い時代の折紙つきの刀剣
- 有名な刀工の銘が打たれている刀剣
- 有名な流派の刀鍛冶屋によってつくられた刀剣
- 刀装の保存状態がよい刀剣
- 鑑定書がついている刀剣
それぞれの特徴についてご紹介します。
資料価値の高い時代の折紙つきの刀剣
折紙つきの刀剣は、歴史的な史料価値が高いと評価をされます。
折紙とは現在の鑑定書と同様のもので、刀剣が作られていた当時は本阿弥家が発行していました。
刀剣の研磨や鑑定を行っていた本阿弥家の折紙がついている刀剣は、歴史的な資料として非常に価値の高いものとなります。
刀剣が作られている時代を生きた鑑定のプロによる評価が書かれている折紙は、それだけでも歴史的資料として貴重です。
折紙つき刀剣の保存状態が良く、有名な刀工による作品であれば国宝にも認定されるほどの価値がある場合もあります。
有名な刀工の銘が打たれている刀剣
有名な刀工の銘が打たれている刀剣は、価値の評価をする上で重要な要素の一つです。
銘が打たれていれば、それだけで名のある刀工が鍛えあげた刀剣であるということがわかるからです。
たとえば有名な刀工である正宗や国光などによってつくられた刀剣の価値は、非常に高くなります。
一方で、無銘の刀剣に関しては誰がつくったものか判断しにくいので価値が下がってしまう傾向にあります。
ただし、無銘の刀剣であったとしても刀剣を実際に使用していて、銘が摩耗してしまい見えなくなってしまっている場合もあります。
したがって、銘の有無は評価の材料として重要ではありますが、それだけで価値が決まる訳ではありません。
有名な流派の刀鍛冶屋によってつくられた刀剣
良質な刀剣であるかどうかは、刀鍛冶屋の流派によっても判断が可能です。
そして刀鍛冶の流派によっても、刀剣の価値は変わります。有名な刀工の銘が入っていない刀剣であっても、刀の柄の部分にある「なかご」という部分を確認すると鍛冶屋の流派を確認することができます。
刀剣は鍛冶屋の流派によって、それぞれに独自の特徴を持っています。
評価の高い流派が作った刀剣であることがわかれば、無銘であったとしてもその価値はぐっと上がります。
刀装の保存状態がよい刀剣
刀装の保存状態も価値の評価基準であり、状態が良ければ価値も上がります。
当然のことですが、刀剣はそもそも道具として作られており消耗品でもあります。そのため、長い年月を送っている間に、修理されたり作り直されたりすることも起こります。
刀剣の価値は、作られた時と同様の状態に近ければ近いほど価値が高まります。
刀剣が作られた年代が古く希少価値の高いものであっても、刀装に修理や作り直しの跡があると価値が低くなってしまうのです。
また刀剣は鞘や柄など、様々な部品から成り立っています。一つでも部品が欠けていると価値評価を下げてしまう原因になってしまいます。
鑑定書がついている刀剣
プロの鑑定士によって認定された、鑑定書がついていると刀剣の価値は高くなります。
刀剣が作られた時代には刀工が誰か、どこの鍛冶屋かなどを知ることも可能でした。しかし、現在では刀工や鍛冶屋もほとんど存在せず、素人では刀剣の価値を判断することが難しくなりました。
したがって、刀剣の価値はプロの鑑定士による判断に委ねられています。
刀剣の鑑定機関である公益財団法人日本美術刀剣保存協会の鑑定は、多くのプロが判断した鑑定書を発行しています。
この鑑定書は日本国内では最も信用の高いものであり、刀剣と共に持っていれば価値が高まります。
刀剣の価値は鑑定書が決め手
いかがだったでしょうか。ここでは価値の高い刀剣の特徴を解説しました。
刀剣の価値基準は様々な要素によって変わってきます。そのため、刀剣への知識のない素人では価値の判断をつけることが難しくなっています。
たとえば有名な刀工の銘が打たれている刀剣であっても、中には偽物の存在もあります。また、無銘の刀剣であったとしても非常に価値が高い場合もあるでしょう。
そこで重要になってくるのが、プロの鑑定士による鑑定書です。
プロの鑑定士は、ここで紹介した価値評価の基準以外にも多くの知識を備えています。
刀剣を鑑定すれば、いつの時代にどこで誰によって作られたものか判断することすら可能です。
プロによる鑑定によって、刀剣の価値が評価されるのです。したがって、刀剣の価値はプロの鑑定士による鑑定書が非常に重要になるのです。
刀剣の価値は種類や条件次第でピンからキリまであります。ですので、刀剣の買取を依頼する際にはきちんと刀剣を査定できる買取業者に依頼することが大切です。