刀剣の査定の「査定」ってどういう意味?
骨董や美術工芸品は値段を見極めるのが難しい品です。中でも刀剣は現在気軽にお店で買えるものではありませんから、おおよその値段すら分からない人が多いのではないでしょうか?
いざ売ろうと思っても、適正な価格を素人が判断するのは非常に難しいでしょう。
刀剣の価値を調べてもらうためには、やはり専門家が在籍する買い取り業者に依頼するのが一番です。そこで登場するのが「査定」という言葉ですが、これは何を意味するのでしょうか。
査定は、買い取り業者が売手に対して提示する買い取り価格を算出することを言います。
ここで注意したいのが「査定額イコール市場価格ではない」ではないということです。
市場価格は「この値段で買える」ということ、つまり業者が売手に対して提示する金額のことです。買い取り業者は売手から刀剣を買い取り、それに自らの儲け分をプラスして市場に出し買手を探します。
つまり査定額が市場価格よりも高くなることはないので注意が必要です。
刀剣の査定価格を決める基準まとめ
刀剣の査定に関することをまとめてご紹介します。
実際の鑑定や査定が必要な理由
現代にはいろいろな買い取りサービスがあります。
インターネットが発達した現代では、実物をお店に持ち込む以前に、売りたい品物の情報を業者に送っておおよその買い取り価格を算出してもらうことも可能になっています。
ブランド物などは具体的な価格が既に掲載されていることも珍しくありません。しかし刀剣の場合の場合は別です。
刀剣の鑑定・査定は規格化されておらず、一点一点の状態を確認して初めて価格を出す必要があるため、実際に見てもらわなくては査定額を出してもらうことはできないのです。
その一例を挙げると錆ですね。刀剣は鉄でできているためどうしても錆が生じます。
同じ時代・同じ人物によって作られた刀剣であっても、錆による劣化具合によって価値が大きく変わることも決して珍しくありません。
登録証の有無が価格を左右する
刀剣の査定額を決める要素は様々ですが、査定する前に必ず確認する必要があるのが登録証の有無です。
刀剣を所持保管するには「銃砲刀剣類登録証」という書類が必要になります。この登録証がないと日本刀とは認められないため、売却することができません。
そもそも、登録証なしに日本刀を所持するのは違法なので、必ず備えもっていなければならないのです。
とはいえ、譲り受けたり、代々家で受け継がれてきたというケースでは、登録証を紛失してしまったということも珍しくありません。こういった場合は再交付や新規発行手続きは可能なので、手続きを行えばOKです。
また、登録証があっても持ち主の名義が違うとなれば、こちらも売却は不可能です。相続で譲り受けた場合に起こりがちなので、この場合は名義変更を行ってから査定してもらう必要があります。
本物かどうかを見分ける
刀剣の真偽見極めと言うと「名刀か鈍か」という点ばかりが注目されますが、まずは本当にその刀が日本刀なのか判断しなければなりません。
日本刀を模して作られた刀を「模造刀」と言います。時代劇などで役者が使っている刀を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
刀身が切れないようにできていたり、柄がプラスチックでできていたりとその造りは様々です。模造刀は日本刀ではないので、買い取れないという業者が多いです。
インテリアとして買い取ってくれるところもありますが、本物の日本刀と比べるとその買い取り価格は大きく下がることになります。
「銘」が示す刀剣の情報
日本刀は、柄に覆われている「なかご」という部分に、その刀の製作者である刀工の名前や製作年月日が彫られており、これを「銘」と呼びます。
銘は刀剣の価値を決める非常に大きな要素です。歴史の刀工の手による日本刀は破格の値段が付くことも珍しくない一方、無銘刀は査定額が下がってしまうことが多いです。
歴史的な名工だけではなく、現代の人気作家による作品も高値で取引されることがあります。
その他要素
刀剣の保存状態も、査定額に大きな影響を与えます。名だたる名工による刀剣も、錆びついていたり傷が付いている場合は査定額が下がってしまう可能性があります。
逆に無銘であっても、保存状態が良ければ高値で買い取ってもらえることがあります。
さらに「流行」も見逃せないポイントです。実は、小説やドラマ、漫画にゲーム等、フィクションの世界の日本刀は人気です。その時の流行と同じ作者の刀の価値は急上昇する、ということもあるのです。
まとめ
刀剣の査定額とは、買い取り業者が提示する金額のことです。
市場価格とは異なるので「意外に安くてがっかりした」ということが内容に知識を身に付けておきましょう。日本刀の査定額はいろいろな要素によって決まっています。
特に重視されるのはやはり銘でしょう。有名な刀工による作品は安定した人気があります。
逆に銘がない刀剣であっても、状態が良ければ高価買取してもらえる可能性があるので、売るつもりがあるなら一度買い取り業者に見てもらうようにしましょう。
刀剣買い取り業者次第で、それがどのような刀剣なのか専門家がしっかりと見極めます。査定額の根拠としてその内容もしっかり説明してもらい、分からないことがあればどんどん質問していきましょう。
刀剣の査定は素人が行うには困難です。当サイトで紹介しているおすすめ刀剣買取業者はWEBでの無料査定にも対応しているので、刀剣の査定は専門家に依頼することをおすすめします。